2009年1月12日、0:25:48
テトリス』はトラウマからの回復に効果アリ!? オックスフォード大 2009.01.08
実験の概要(英語)※PLoS ONEより
BBCの報道(英語)
衝撃的な事件を体験したことで心が傷つき、あとになってさまざまな障害に悩まされる“心的外傷後ストレス障害(PTSD)”。このPTSDは、『テトリス』のようなシンプルなゲームをプレイすることで軽減できる可能性があると、英オックスフォード大学の精神医学研究者たちが発表した。
発表によると、研究者たちはまず40人の被験者に、事故による負傷や死亡など、凄惨な映像を12分間見せた。そして、30分の休憩時間をはさんで2つのグループに分けたのち、一方のグループには『テトリス』を10分間プレイしてもらい、もう一方のグループには何もしなかった。
その後、被験者たちに1週間にわたって日記をつけてもらったところ、『テトリス』をプレイした被験者グループは、実験時の映像を思い出す頻度が著しく少なかったのだという。
そのため、『テトリス』のように空間視覚を用いるコンピュータゲームは、PTSDに対して“ワクチン”のような効き目を果たすと考えられるとのこと。実験チームを率いたEmily Holmes博士は、「ゲームはトラウマを受けた人の知覚情報処理に干渉し、記憶をよみがえらせる頻度を減らす可能性がある」とし、実験の成果をもとに、トラウマで苦しむ人々を救う手段を編み出せるかもしれないと期待している。
ただし一部の専門家からは、「本当のトラウマは思いがけず危害にさらされることから生まれるのだから、今回の実験成果がそのまま適用できるとは限らない」との指摘も出ている模様。どうやら、まだまだ研究を重ねる必要はありそうだ。
(中島理彦)
posted by 発見オフレコ情報 at 10:00|
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